「地獄へようこそ」
ガラタサライのホームでの横断幕だっかか
スタジアムの力は人の力は百戦錬磨のマルディーニの膝も震えさせる事が出来る
チョイスしたマッチはバルセロナ×デポルティーボ
キックオフ10分前、観客が席を埋め尽くす気配はない
4日前に訪れたコルネジャではもう大合唱が始まっていた時間だ
中村俊輔が活躍できずに去った事以外、肩身がせまいこともない快適な最新のスタジアムだ
つまりJリーグのスタジアムとほぼ変わりない、ゴール裏が360度になったぐらいなものだ
一番安い席を求めてカタルーニャ広場の売り場に行った時売り場のおじさんの言葉を思い出す
「一番安い席をください」
「一番安い席はこれだが、でも高いぞ、エスパニョールの試合だからな」
多分おじさんはバルセロニスタだったんだろう
見に行く価値がないとでも言いたかったのかもしれない
なるほど、アトレティコとの試合をフォルランをアグエロをシモンを見た後でも売り場のおじさんに半分同感だった、デラペーニャを見に来たんだと言い聞かせた
それでも中村のポストカードが未だに売られる売店を背に、心はゆれていなかった
何気なくつけたBSでレアルマドリーを数多くのパスとサイドアタックで痛快にぶっ倒したデポルティーボ
マウロシルバの強靭な体、バレロンの天才的タッチ、マヌエルパブロのサイドアタック、ルケの快速とフィニッシュ、すぐさまこころをゆらしそれはすなわち正義になった
それを同時多発的にJUCOや野島や黒川君が見ていた事がきっかけで
政治、宗教、肌の色関係なしにマドリーはヒールになった、いやもうすでにヒールだったと言うべきか
リーガを知るにつれさらに面白いフットボールを見せるバルセロナはマドリーのライバルらしいことがわかると水が下に流れるように、バルセロナに心を奪われた
その時代の4番、それがグラウディオラだ、その最新式のフットボールを見にここまで来てしまった
ピッチを俯瞰できるちょっといい席でフォーメーションに目を凝らす
ふと力を抜く、さっきとは全く別物の、観客が埋め尽くされた劇場のようなスタジアムになっている
どこに人は隠れていたんだろうか、太鼓を鳴らし、同じチャントを歌い続けるのはほんの一部しかいない、どこからとも無くコールがかかり、スタジアムを覆う合唱に変わる
いつの間にか3−0になっていた、相手を威圧する時の本気のスタジアムを想像する
膝が震え、心がゆれていた
相手をぺろりと食べ尽くす?3-0になった時、隣のおじいさんがバックからブラウグラナのよだれかけをかけ始めた
周りのクレ達もそれを見て手を叩いて大喜び、笑いが周囲を包む
終始ご機嫌なクレ達は明るく開けた未来を祝っていた
ちょうど2年前の話だ
グラウディオラは今年バルセロナを去る
クラシコでテージョが奪われたボールを一回だけ追わなかったのがゴールになった時、その時が近づいている事を感じた
CL準決勝でメッシのPKがポストにはじかれた時もやっぱりそう感じた
あのおじいさんはどんな表情をしていただろうか
チェルシー戦の後、始めてバルセロナの試合で涙を流した少年がスタジアムにいたが、その少年になんと声をかけるか?と、グラウディオラが記者に問われ
「このクラブへようこそ」
と答えたのをどこかの記事で知った時
スタジアムに心が宿り人を震わせる原因を知った
そしていったい何が人の心をゆらすかを見た
今心はゆれている、しかも大きくだ
EVISBEATS×田我流の「ゆれる」が流れているのと無関係じゃないかもしれない
それでも続いていく
バルセロナの未来以外にもだ
俺の出番は少ないかもしれないがFullmemberも続いていく
ブレとは違うゆれを知った今後に期待して欲しい
人をゆらす何かを作るまでもがこうと思う
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