西東京発「Fullmember」09/10年シーズン開幕!
「music of the district」「4visions」「The Footprints -Hill of Dreams-」に続く4年連続4作目のアルバム「006」の準備はできている。自己主張を続けるDJ JucoのBeatに片足を突っ込みながら、もう一方の足で自立した世界観をラップし時に文字に起こす五十嵐、MCW、Tai-shiの3MC。都内での数えきれないLIVEでフロントマンをつとめ、ステージからフロア、バーカウンターまでを絶妙のムーブで泳ぐMCWがついに覚醒した。
現場での圧倒的支持を背に、自分の現在地とユーモアを交差しフローするMCWのラップスキルは一皮むけ、今回のアルバム、Fullmemberのパフォーマンスを通じて頭一つ抜け出た存在感を示している。基軸であるDJ JucoのBeatと共にMCWのキャラクターを中心に据えたローテーションは功を奏しつつある。以前から高い評価を受け、客演やMCバトル参戦を重ねる事で得た、新たな要素を注入する事に成功した五十嵐と、シャドーストライカー然と後方に構え、片目は閉じたままルーズにフローするのTai-shiを加えた3MCが形成する1トップ2シャドースタイルはDJ Jucoの配球のもと、今シーズンどこからでも点が取れる陣容でゴールと賞賛を量産する気配である。
一年ごとに濃淡を交え変わっていく景色とそれに呼応して規則性無く変化した形態をそのままパッケージするのがまさしく「Fullmember」だ。くだらない会話から産みの苦しみまでを全部混ぜて飲み干し、不細工なままでも気取らず音楽にする形がここにはある。動き出した09/10シーズン。何が変わって何が深化したか、やはり今年も「Fullmember」の行方に注視する必要があるだろう。